はじめに
飲食店経営において、売上だけを追いかけても本当の成果は見えてきません。
大切なのは FL比率・損益分岐点・在庫回転率・利益率 など、経営を支える“数字”を正しく把握することです。
このまとめでは、経営者が押さえておきたい 8つの指標 を一覧化しました。
気になる項目から読み進め、自店の改善に役立ててください。
目次
飲食店経営に大切な数字|8つの指標マップ
“どれから読むべきか”がひと目でわかる、8指標の全体像。リンクは下のカードからどうぞ。
飲食店経営に大切な数字|シリーズまとめ
飲食店経営を成功に導くには「数字の見える化」が欠かせません。
このシリーズでは、利益改善に直結する8つの指標をわかりやすく解説しています。
気になるテーマからぜひチェックしてください。
売上だけじゃない!
本当に見るべき「5つの数字」
導入編:PLやFL比率、原価率など、基礎指標の全体像を紹介。
FL比率の理想と現実
人件費・食材費のバランスは何%が目安?改善策と業態別基準を解説。
客単価×客数で終わらない!
「客席回転率」が利益を左右する理由
時間あたりの売上効率を上げるための計算式と改善方法。
原価率は下げすぎると危険?
食材原価と売価設定、バリュー感を保つ価格戦略を解説。
損益分岐点を見極める!
毎月の目標売上はどう計算する?
家賃や固定費をふまえた「赤字回避ライン」の算出方法。
リピーター率と新規比率
数字でわかる“常連がつく店”の条件。改善策と分析方法。
利益を逃さない!在庫回転率と棚卸改善
廃棄・ロス削減に直結する数字と管理のコツ。
営業利益率10%は夢じゃない!
黒字を生み出す店舗の共通点と収益性の高い運営戦略。
❓ 飲食店経営に大切な数字|よくある質問(QAF)
数字が見えると、打ち手が決まる。
基礎から実務まで、よくある悩みを10項目で整理しました。
Q1. まず何から見ればいい?「5つの数字」って何ですか?
売上・原価率・人件費率・客席回転率・在庫回転率の5つが起点です。これらは相互に影響するため、単体ではなく“セット”で把握するのがコツ。特に月次のP/Lと合わせて推移を見ましょう。
Q2. FL比率の理想は何%?超えている時の改善策は?
一般的な目安は 50〜60%。超過している場合は、①人気メニューの粗利再設計、②仕入れ先・歩留まり改善、③ピーク帯の人員最適化、④回転率向上の順でテコ入れが効果的です。
Q3. 客席回転率はどう計算する?上げるには何をすべき?
計算式は
来店客数 ÷ 席数
(期間内)。改善は「スピードメニューの設計」「注文~会計の導線短縮」「席レイアウト最適化」が効きます。滞在体験は下げずに“気持ちよく短縮”が鉄則。 Q4. 原価率は下げるほど良い?下げすぎのリスクは?
下げすぎは味・見た目の劣化→満足度低下→再来店率低下の連鎖を生みます。価値訴求が伝わる価格設計(USP強化、比較回避のセット化、原価集中投資)で“高原価でも勝つ”選択肢を。
Q5. 損益分岐点(赤字回避ライン)はどう求める?
損益分岐売上 = 固定費 ÷(1 − 変動費率)
。固定費(家賃・水光熱など)と原価+人件の変動費率を把握し、安全マージンを上乗せした目標売上を設定しましょう。 Q6. リピーター率と新規比率の理想バランスは?
目安は新規20〜40%:リピーター60〜80%。予約台帳やPOSで再来店を計測し、定着導線(アプリ・LINE・スタンプ)と新規導線(広告・立地・口コミ)を両輪で運用。
Q7. 在庫回転率はどのくらいが妥当?ロスを減らすコツは?
劣化が速い食材は高回転が前提。ABC分析でメニューの出数と在庫を同期し、“仕入れ頻度×発注量”を週次で最適化。棚卸の標準化(同一手順・同一時間帯)でブレを減らします。
Q8. 営業利益率10%は現実的?達成の鍵は?
現実的です。鍵は①粗利設計(看板で稼ぐ)②回転率UP(ピーク効率)③FL55%以内(週次で調整)。毎月のP/Lでブレ幅を管理し、仕組み化で再現性を高めます。
Q9. 数字はどの頻度でチェックすべき?
日次:売上・客数・客単価/週次:FL率・在庫回転/月次:P/L・損益分岐。 “定点観測→原因特定→小さな手当て”のサイクルが、黒字定着の近道です。
Q10. どこから着手すれば最短で改善できますか?
ファネル順に①回転率→②粗利(原価×価格)→③人件最適化→④在庫回転。まずは「最も重い比率を1〜2pt」改善できる施策から着手しましょう。
まとめ
飲食店経営を安定させるには、感覚ではなく数字に基づいた判断が欠かせません。
ここで紹介した 8つの指標 を意識することで、赤字リスクを減らし、利益体質の店舗へ近づけます。