はじめに|梅雨入り前の食品管理がカギ
気温と湿度が上昇する梅雨の時期は、細菌やウイルスが繁殖しやすく、食中毒リスクが高まります。飲食店にとっては、日常的な衛生管理の徹底に加え、気候条件を踏まえた対策が重要です。本記事では、梅雨入り前に必ず見直しておきたい、仕入れから保存、調理環境までの衛生管理のポイントを解説します。
目次
1. 仕入れ時のチェックポイント
- 信頼できる取引先から新鮮な食材を仕入れる
- 食材の温度帯管理(要冷蔵・冷凍の徹底)
- 異臭や変色、破損した包装の食材は受け取らない
Tips:納品時にはスタッフ2名でのチェックを推奨。衛生ルールのダブルチェックが可能になります。
2. 保存時のポイント
- 食材ごとの適切な保存温度(例:冷蔵5℃以下、冷凍-18℃以下)
- 食材の保存容器はフタつき・日付ラベルの明記
- 交差汚染を防ぐため、冷蔵庫内の上下段で分けて保管(生肉・野菜・調理済み食品)
Tips:1日1回、冷蔵・冷凍庫の温度を記録する習慣づけが重要です。
3. 調理場の衛生管理
- 作業台・まな板・包丁の用途別使い分け
- アルコール消毒液の常備と使用タイミングのルール化
- 換気と湿度管理:こまめな換気と除湿器活用も効果的
4. スタッフの衛生教育
- 手洗い5ステップの徹底(洗う・泡立てる・こする・流す・乾かす)
- 調理前後、トイレ後の手洗い確認
- 出勤前の体調チェックリスト活用
【Q&A】よくある質問
Q1. 手袋をしていれば手洗いは不要?
A. 手袋着用前後にも必ず手洗いが必要です。手袋内での菌の繁殖や交差汚染のリスクがあります。
Q2. 食中毒は夏だけ気をつければいい?
A. 実は梅雨の時期が一番リスクが高く、6〜7月の発生件数が急増します。早めの対策が重要です。
Q3. すぐにできる対策は?
A. 食材のラベル管理(使用期限・仕入日)と冷蔵温度の見直しが即効性のある改善ポイントです。
まとめ|「うちは大丈夫」が一番危険
どれだけ経験のあるスタッフが揃っていても、衛生管理は“慢心”が一番のリスク。日々の小さなルールと記録の積み重ねが、重大な事故を防ぎます。梅雨入り前の今こそ、店舗全体で再点検を行いましょう。
【次回予告】飲食店のための食中毒リスク対策|発生時の対応マニュアルと予防ポイント【2025年最新版・後編
➡ 公開予定日:2025年5月24日(土)