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飲食店のスタッフ熱中症対策マニュアル|現場で守るべき健康管理ガイド

はじめに|「厨房は真夏のサウナ」状態?

夏場の飲食店では、厨房内の高温環境に加えてマスクや制服などの着用もあり、スタッフが熱中症になるリスクが非常に高くなります。
特に調理場・配膳エリアでは、気温と湿度の上昇、換気の制限などが重なり、体調を崩す要因が多く存在します。

また、飲食店はお客様の「安心・安全」を提供する場でもあり、スタッフ自身の健康・衛生管理も店舗全体の信頼性を左右する重要な要素です

ひと昔前までは、「気合いで乗り切れ」「水を飲まずにがんばれ」といった精神論がまかり通っていた現場もありましたが、現代ではそうした対応は明確なリスク管理の欠如とされ、法的・社会的にも許容されません

これからの飲食店経営には、「人が辞めない・守られる・活きる」現場づくりが不可欠です。
本記事では、熱中症リスクが高まる時期に、スタッフを守りながらも高いパフォーマンスを引き出すための健康管理と現場対策を詳しく解説します。


1. なぜ飲食店スタッフに熱中症リスクが高いのか?

熱中症リスクが高まる4つの要因

厨房内は40℃超えの高温環境

火を使うため室温が急上昇。鉄板焼き・ラーメン店などではサウナ状態になることもあり、冷房が届かないエリアでは体温がこもりやすくなります。

冷房が効きにくいレイアウト

厨房は間仕切りや壁に囲まれているため、ホールよりも空調効果が届かず、熱がこもりやすいレイアウトになりがちです。

動きが多く、汗をかきやすい

注文処理、配膳、洗い場などで常に動き回るため、気づかぬうちに水分と塩分を大量に失います。

忙しさで水分補給が後回しに

ピークタイムはトイレや休憩を取る余裕もなく、脱水症状が進行しても本人が気づきにくくなります。

  • ✔ 厨房は火を使う環境で常時高温・多湿
  • ✔ 冷房が効きづらく、気づかぬうちに水分・塩分が不足
  • ✔ ホールスタッフも屋外・デリバリーなどで高温環境にさらされる
  • ✔ 忙しさから水分補給や休憩が後回しになりやすい

2. 熱中症の初期症状と重症化のサイン【チェックリスト】

✔ 軽度

  • 顔の赤み・ほてり
  • 軽いめまい、立ちくらみ
  • 軽い頭痛、集中力の低下

✔ 中等度

  • 頭痛が強くなる
  • 吐き気・倦怠感
  • 汗が止まり、肌が乾く

✔ 重度(救急対応が必要)

  • 意識がもうろうとする
  • けいれん・失神
  • 体温が40℃近くまで上昇

3. スタッフを守る!飲食店の熱中症予防策【店舗でできる対策】

✔ 厨房エリアの工夫

  • サーキュレーターや換気扇で熱気を排出
  • IH・スチーム機器への切替で放熱を抑制
  • 冷風機・スポットクーラーの導入を検討

✔ ホール・デリバリーの工夫

  • 屋外配達スタッフにはネッククーラー・冷却スプレーを支給
  • 店舗に**「給水ステーション」**を設置(ミネラル補給可能なドリンク)
  • 開店前・中休憩での**「15分リフレッシュタイム」**を導入

4. スタッフ個人に求められる自己管理ポイント【教育用】

  • 毎朝出勤前に体調チェック表を記入(検温・睡眠・食欲など)
  • 業務中も2時間ごとに水分・塩分補給をルール化
  • 「調子が悪い時はすぐ報告する」風土を作る
  • 制服を通気性の良いものに変更し、着替えもこまめに

5. 万が一の応急対応フロー(現場掲示にも活用)

✔ 現場での応急処置(意識がある場合)

  1. 涼しい場所へ移動
  2. 衣服を緩め、うちわや冷却で体温を下げる
  3. 経口補水液またはスポーツドリンクを摂取

✔ 意識がもうろうとしている/倒れた場合

  • すぐに119番通報し、医師の指示に従う
  • 氷嚢や冷却パックで首・わきの下を冷やす
  • 救急車到着まで体温低下と安静を優先

6. 熱中症を防ぐ「店舗全体の仕組みづくり」

  • 熱中症対策マニュアルを作成・配布
  • 月初や猛暑日にスタッフ朝礼で注意喚起
  • クーリンググッズやOS-1を常備
  • 売上と同じように**「健康管理」も管理項目に**

初期症状チェック(Step 1)

めまい・立ちくらみ

✔ 症状: ふらつく、視界がぼやける、突然立ち上がれない

🩺 対処法: すぐに日陰や冷房の効いた場所に移動。椅子に座り、冷たい水を少しずつ飲ませる。

大量の汗 or 急に汗が出なくなる

✔ 症状: いつもより異常に汗をかく/突然汗が止まる

🩺 対処法: 水分と塩分を補給。冷たいタオルや保冷剤で首・脇の下を冷やす。

吐き気・頭痛・集中力の低下

✔ 症状: 頭が重い、気持ち悪い、作業の手が止まる

🩺 対処法: すぐに作業を中断し、休息を取る。水を飲んでも吐く場合は医療機関へ。

重症化サイン(Step 2)

意識がもうろう・受け答えが不明瞭

⚠ 危険度: 中等度以上の熱中症が疑われます

🩺 対処法: すぐに119番通報。氷・冷水を使って身体を強制的に冷却。

けいれん・歩行困難

⚠ 危険度: 意識障害の前兆。神経系への影響が始まっている可能性あり

🩺 対処法: 周囲が安全確保し、医療機関への搬送準備を。回復まで動かさない。


まとめ|健康管理は安全で魅力ある店づくりの土台

お客様に快適な空間を提供するには、まずスタッフの安全と健康を守ることが必要です。
熱中症は「防げる事故」。日々のちょっとした工夫とルールづくりで、安心して働ける現場を実現しましょう。


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