店舗の利益を大きく左右する「回転率」。
単なる席数や混雑だけでなく、テーブル管理、メニュー設計、現場の動線など、細やかな工夫次第で改善できるポイントが多数あります。
ここでは、具体的数値例や現場でできる施策を交え、回転率向上のヒントを解説します。
目次
1. 【現状把握】今の回転率を数字で把握する
- 現在の回転率の例:
- 客席数:30席、ランチ営業(11:30–14:30/3時間)
- 客数:60名/3時間 → 回転率 = 60名 ÷ 30席 = 2.0回
改善のヒント
- 「2.0回転/3時間」であれば、1席あたりの滞在時間は約90分となる。
- 「1席あたり60分以内」にできれば、同じ席数で3.0回転/3時間となり、単純計算で客数が1.5倍となる。
2. 【テーブル管理改善】予約・席配置の最適化
具体例:
- ランチの単価:1,000円/客
- 現状:30席 × 2回転 = 60名 → 売上60,000円
- 改善後:30席 × 3回転 = 90名 → 売上90,000円
- 【施策】:
- 2名、4名テーブルのフレキシブル配置
- 「予約管理アプリ」で空席情報をリアルタイム共有
- 入店から着席、片付け、次客案内までの時間ロスを減らす
3. 【メニュー設計】提供時間が早いメニューで回転率改善
- 【具体例】:
ランチタイムの看板メニュー- Aセット:提供時間5分以内/単価1,200円
- Bセット:提供時間15分/単価1,600円
➔ Aセットを増やせば、滞在時間を短縮でき、回転率も改善。
- 【施策】:
「ランチのおすすめ」に、早めに出せるメニューを配置。
Aセットが全体の60%以上となれば、回転率が約10–15%改善されることも。
4. 【現場改善】ホール・キッチンの動線を再設計
- 【具体例】:
「ホールからキッチンへの受け渡し時間」が平均3分から1分以内へ改善できれば、
一組あたり約2分の余裕ができ、ピークタイムの売上アップにつながる。 - 【施策】:
- 配膳・片付けの動線を直線化
- キッチンとホールの連携ルールの徹底
- 配膳ロボットの導入検討
5. 【単価・満足両立】お客様の満足と滞在時間を意識した施策
- 【具体例】:
デザート単価:300円/追加注文率:30%
➔ 「ランチデザート」で単価を高めつつ、満足度向上 - 【施策】:
- 入店からデザート提供・退店までの時間を予め設計
- 会話・雰囲気も楽しめるが、過剰滞在を避けるサポート
【まとめ】:数値と現場力の組み合わせが回転率改善のカギ
単なる「席数×客単価」で売上が決まるわけではありません。
次の3つのポイントを意識すれば、同じ席数・同じ時間で、売上も利益も伸びます。
✔ 数値で現状把握:現状の回転率・単価・滞在時間を知る
✔ テーブル管理・メニュー構成の改善:時間効率と満足を両立
✔ 現場力の強化:動線・連携・片付けの改善でタイムロスを減らす