飲食店の開業準備において、内装と厨房設計は命とも言える重要工程です。
デザインや雰囲気だけでなく、動線・衛生・効率など多角的な視点が求められます。
目次
この記事でわかること
- 内装工事で押さえるべき基本の考え方
- 厨房設計でありがちな失敗と回避法
- 業者選びのポイントと発注までの流れ
- 設計前に知っておきたい保健所対応や法律面
【内装編】お客様視点とコンセプト設計がカギ
内装でまず考えるべきこと
項目 | 検討の視点 |
---|---|
店舗コンセプト | ターゲット層・世界観・料理との調和 |
席数と配置 | 売上計算・回転率・ゆとりあるレイアウト |
動線 | スタッフとお客様がぶつからない配置 |
照明・音・素材感 | 滞在時間や印象に影響する要素 |
注意点
- デザイン重視で実用性を犠牲にしないこと
- 見た目より掃除しやすい素材選びが重要
- トイレや待合スペースの位置は顧客満足度に直結
内装でよくある失敗例
- 想定より席数を詰め込みすぎて回転率が低下
- 照明が暗すぎて料理が映えない
- 壁や床材に汚れが目立ちやすい素材を使い後悔
- 店内音響が悪く、会話がしにくい
【厨房編】効率・衛生・保健所基準の3点セットが基本
設計の順番(基本の流れ)
- 業態・メニューを確定
- 厨房スペースの大きさ・位置を決定
- 作業動線・洗浄・保管の区画を整理
- 機器選定(新品・中古・レンタル含めて検討)
- 排水・電気・ガス容量の確認(インフラとの整合)
- 保健所の事前相談・平面図提出
厨房設計で失敗しやすいこと
- コンロや冷蔵庫など大型機器のサイズミス
- 換気ダクトが不十分で店内にニオイ充満
- 排水設備が弱く床が水浸しになりやすい
- 動線が狭く調理スタッフの効率が大幅ダウン
- 食洗機の選定ミスで食器の回転が遅れる
厨房図面チェックのポイント(保健所対策)
区画 | チェック項目 |
---|---|
調理エリア | 手洗い器の位置・シンク数・作業台の高さ |
洗浄エリア | 食器用・野菜用など用途別のシンク配置 |
保管エリア | 食材と器具の保管区分(生・加熱・乾物) |
衛生管理 | ゴミ箱の位置、換気扇、床排水の設計 |
業者選びのコツと発注までの流れ
業者選びのポイント
- 飲食店実績が豊富な内装業者か?
- 厨房と内装の両方に対応できる一括業者も検討
- 見積り比較は最低2〜3社から取る
- 工期・施工内容の細部まで書面で明確に
発注スケジュールの目安
時期 | 内容 |
---|---|
開業4〜5ヵ月前 | 業者探し・見積り依頼 |
開業3ヵ月前 | 図面確定・施工契約 |
開業2ヵ月前 | 工事開始(2〜4週間) |
開業1ヵ月前 | 検査・修正・保健所申請 |
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- 【第5回】開業準備マニュアル|物件・資金・メニュー
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まとめ:お客様もスタッフも満足する設計を
内装や厨房設計は「理想の店」を形にするプロセスでありながら、最も失敗による損失が大きい部分でもあります。
プロの意見を取り入れつつ、必ず自分の目で確かめながら進めることが成功への近道です。
内装や厨房設計は、エリアごとの保健所基準や施工業者との連携も重要です。当サイトでは、地域に応じた業者紹介や厨房備品の選定もサポート可能です。
「自分たちだけでは不安」「相談したいことがある」という方は、お気軽にお問い合わせください。