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共同経営のメリット・デメリット完全ガイド|おすすめしない理由と現実の事例

はじめに

「信頼できる友人と一緒にお店を持つのが夢だった」「資金もスキルもシェアできるから効率的」。
こうした理由から、共同で起業・開業を考える方は少なくありません。

しかし実際には、共同経営がうまくいかずにトラブルになるケースは非常に多いのが現実です。今回は、共同経営のメリットとデメリットを客観的に整理しながら、失敗事例や具体的なリスク、そして対策についても紹介します。


1. 共同経営とは?よくあるスタイルと背景

共同経営とは、複数の人間が出資・経営責任を持って一つの事業を運営することです。よくある組み合わせには以下のようなものがあります:

  • 友人同士での飲食店やカフェの開業
  • 家族や親戚での共同経営
  • スクール時代の同級生など知人との起業

スタート時は「信頼」が前提にあることが多いため、契約やルールを曖昧にしたまま進むのが典型的な落とし穴となります。


2. 現実の失敗事例|パティスリー共同開業の破綻

📌ケース概要:

都内で開業した洋菓子店。別々の製菓専門学校を卒業した2人、就職した店舗で出会い意気投合、数年間一緒に仕事をし、お互い一人前のパティシエへと成長

自分の店を出したいと言う共通の夢も同じだったので、共同でパティスリーを開業。融資は両者の共同名義(連帯保証)で受け、1年目から積極的に事業を展開。

常連客も徐々に増え、催事などにも出店機会が増えていっていた。

しかし、以下のような問題が徐々に浮上します:

  • 意見の食い違い(営業戦略・人材雇用など)
  • 業務負担の偏り(片方が現場を主導)
  • 金銭感覚の違い(材料仕入れの予算感・設備投資)

1年後、1人が突然出社を拒否し、弁護士を通じて「経営から離れる」と主張。
残された片方に融資の返済負担が一方的にのしかかり、資金繰りが破綻。店はやむなく閉業へ。


3. よくある共同経営の問題点(5つ)

① 意見の不一致

「価格はどうする?」「人を雇うタイミングは?」といった経営判断が合わず衝突。

② 労働量や責任の差

どちらかが圧倒的に働いている、片方がサボり気味……不満が積もります。

③ 収支・支出の透明性不足

個人的な買い物を経費で計上してしまう、売上の使い方が不明瞭など。

④ 口約束のまま進めてしまう

契約書なし、話し合い記録なしで進行することでトラブル時の証拠がない。

⑤ 関係が悪化してもやめられない

「辞めたいけど、借金があるから」「保証人から外れられない」など、泥沼に。


4. メリットもある?共同経営のプラス面

  • 初期投資を分担できる
  • 異なるスキルセットを活かせる(例:料理+デザイン)
  • 精神的な支えになる
  • 意見交換によるアイデアの広がり

➤ ただし、明確な契約・運営ルールがあって初めて成り立つものです。


5. こうなる前に!リスク回避のポイント

✔ 共同経営の最低限のチェックリスト

  • 事前に 契約書(業務・出資・利益・解散) を交わす
  • 「誰が」「何に」「いくら」保証しているかを明記
  • 出口戦略(万が一の別離時)を定めておく
  • 税理士・行政書士など第三者を交えた設計を
  • 定期的な話し合い・報告制度を導入する

① 出資割合と利益配分
・誰がいくら出資したかを明記。
・利益は出資割合?労働量?分配の計算式を記載。
・再投資の割合や取り分ルールも事前に決めておく。
② 業務分担と責任範囲
・各自の担当業務を明文化(例:経理、仕入れ、調理など)。
・どこまでの判断権があるか、責任の所在をはっきりさせる。
③ 給与や報酬の設定
・役員報酬や従業員給与はどう決めるか。
・自分たちの報酬は事業の利益とどう連動させるか。
④ 意見が分かれた場合の決議方法
・合意が得られないときの投票ルール(多数決?第三者?)。
・事業方針の変更や新規投資など、重大事項の承認フロー。
⑤ 脱退・解散・譲渡の取り決め
・一方が辞めたいときの手順(持ち分の買い取りや譲渡制限)。
・事業解散時の財産分配・負債精算方法の取り決め。
⑥ 借入・保証の責任分担
・金融機関からの借入金を誰がどのように保証するのか。
・返済不能時の対応方法や、連帯保証の解除条件など。


6. 結論|共同経営をおすすめしない理由

どれほど信頼している相手でも、ビジネスにおいては「契約・責任・数字」がすべてです。

特に飲食業など長時間労働+低利益+精神的負担が大きい業種では、意見のズレや価値観の違いが大きく表れやすく、関係性が破綻するリスクは高まります。

「信頼してるから大丈夫」「自分たちは大丈夫」は
 最も危険なスタートラインです。

❶ 今すぐ「共同経営契約書」を見直そう
雛形の契約書だけで進めるのは危険です。弁護士や専門家にチェックを依頼するのが安心です。
❷ 共同経営者候補と「価値観」のすり合わせを
お金、休日、ビジョン、やりがい…。小さなズレが後の大きなトラブルに。事前に確認しましょう。
❸ 開業前にリスクと責任の分担を明文化
トラブル時の「責任の所在」は曖昧にせず、書面化しましょう。連帯保証も慎重に判断。
❹ すでに問題が発生している方へ
弁護士や商工会など、早めに第三者へ相談を。対応が遅れるほど不利になります。
❺ その他の経営トラブル回避法を学ぶ

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