目次
はじめに
飲食店開業を思い立ったら、次に必要なのは「実現へ向けた準備のステップ」。情熱だけでは乗り越えられないのが飲食業界。この記事では、飲食店開業までに必要な準備を時系列で解説し、それぞれの段階での注意点もあわせて紹介します。
開業準備ステップ一覧【全体像】
ステップ | 概要 | ポイント |
---|---|---|
STEP1 | コンセプト設計 | ターゲット・商品・価格帯の明確化 |
STEP2 | 資金計画・資金調達 | 自己資金と融資のバランス |
STEP3 | 物件選び | 立地と業態の相性がカギ |
STEP4 | メニュー開発 | 材料コストとオペレーションを考慮 |
STEP5 | 内装・厨房設計 | 専門家への相談も視野に |
STEP6 | 届出・許認可 | 保健所や消防の確認 |
STEP7 | スタッフ採用・研修 | 接客力・調理スキルの育成 |
STEP8 | プレオープン・本開業 | テスト営業で修正点を把握 |
STEP1:お店の「軸」を決める【コンセプト設計】
- 誰に(ターゲット)
- 何を(商品)
- いくらで(価格帯)
これらを明確にすることで、物件やメニュー、広告戦略まで一貫性が生まれます。
例:
「30代共働き夫婦に向けた、無添加お惣菜のテイクアウト店」
STEP2:資金計画と調達
初期費用の内訳例
項目 | 目安費用 |
---|---|
内装・厨房設備 | 300〜800万円 |
家賃・保証金 | 50〜150万円 |
備品・食器類 | 20〜50万円 |
広告・宣伝費 | 10〜30万円 |
運転資金(3ヶ月分) | 100〜200万円 |
- 融資先の例: 日本政策金融公庫/信用金庫/クラウドファンディング
- 創業計画書・事業収支シミュレーションの準備が必須です。
STEP3:物件選びで失敗しないコツ
- 人通りの多さより「ターゲットの質」が重要
- 視認性・動線・近隣競合も要チェック
- 「業態との相性」が最重要
例:深夜営業の居酒屋なら駅近、ファミリー向け定食屋なら住宅街立地
STEP4:メニュー開発と原価管理
- 仕込み時間・保存性・オペレーション効率も考慮
- 食材ロスの出にくい設計が重要
- 「売れ筋」と「こだわり」のバランスを取る
例:主力3品で7割以上の売上が見込める構成を目指す
STEP5:内装・厨房設計
- 自分でDIYする場合は保健所の基準確認を忘れずに
- 動線・衛生・収納性をプロ視点で見直すと◎
「自分が毎日働く場所」としての快適性も重要です
STEP6:必要な届出と許可
届出 | 提出先 |
---|---|
飲食店営業許可 | 保健所 |
防火対象物使用届出 | 消防署 |
開業届 | 税務署 |
酒類販売許可(必要な場合) | 税務署 or 国税局 |
STEP7:スタッフ採用・教育
- オペレーションマニュアルの整備
- 面接時は「経験」より「素直さと相性」
- 開業前に1週間以上の研修期間を確保する
STEP8:プレオープン→グランドオープン
- **「友人・知人限定の試営業」**で課題を洗い出す
- SNSやGoogleマップへの登録・口コミ促進も重要
- 開業後1ヶ月が勝負!初動の評判が集客を左右します
まとめ|「準備力」が開業後の安定を決める
飲食店開業は、準備が8割。どれだけ理想を描いても、資金や物件、メニューなど現実との接点をどう具体化するかが成功のカギとなります。
今後のシリーズでは、具体的な【融資申請の方法】【物件選びのチェックリスト】などにも踏み込んで解説していきます!
次回予告|【第6回】開業後の運営・集客戦略|リピーターを増やすためにやるべきこと
開業後すぐにやるべきこと(SNS運用、販促イベント、口コミ活用など)について紹介!
シリーズ記事リンク
- 【第1回】飲食店開業の全体像と基礎知識
- 【第2回】失敗しないための注意点とは?
- 【第3回】参入障壁とリスクを正しく知る
- 【第4回】成功しやすいジャンルとその理由
- ➤ シリーズ全体を見る