はじめに:口コミとSNSは“味”の次に見られる
料理の味や価格がいくら良くても、今や来店前に必ずチェックされるのが「口コミ」と「SNS」。
「★2の評価がついていた」「Instagramが統一感なくて世界観が伝わらない」——それだけで機会損失につながっていませんか?
本記事では、飲食店が“信頼と共感”を得るために不可欠な 口コミ・SNS対策とブランディング戦略 について、課題→対策→実践例という流れで分かりやすくご紹介します。
よくある悩みと課題
ネガティブな口コミへの対応が分からない
感情的な投稿にどう返すべきか迷う
▶ 店の印象が悪化し、放置はさらに信用を落とすSNS運用が属人的で一貫性がない
写真のトーンがバラバラ、投稿も不定期
▶ ファンがつかず、集客につながらないGoogleマップや食べログの管理が不十分
情報が古い、返信がない
▶ 検索時に信頼を失い、来店を避けられる写真や文章で世界観が伝わらない
料理写真だけが並ぶSNS
▶ 「行きたい」「共感できる」が生まれにくい対策①|口コミ返信テンプレートと対応ルールを整える
感情的な口コミに冷静に、丁寧に
ネガティブなレビューは、「見られている」 ことを意識した返信が重要です。
例:悪い評価がついたときのテンプレート(Googleマップ/食べログ)
〇〇様
ご来店と貴重なご意見、誠にありがとうございます。
ご期待に添えず申し訳ございません。頂いたご指摘を真摯に受け止め、スタッフ一同改善に努めてまいります。
また機会がございましたら、ぜひご利用いただければ幸いです。
※注意:感情的な返信・言い訳・反論はNG
対策②|SNS媒体ごとの特徴と活用ポイント
媒体 | 強み | 弱み | 活用のコツ |
---|---|---|---|
写真・動画でビジュアル訴求 / 世界観構築に最適 | 拡散力がやや弱い / 投稿継続が必要 | 統一感あるフィード / ハッシュタグで地域名を活用 | |
Googleビジネスプロフィール | 地図検索との親和性 / 口コミが重視される | 視覚訴求に弱い / 操作に慣れが必要 | メニュー・営業時間・写真を常に最新に保つ |
食べログ・Retty等 | 飲食店に特化 / ユーザー評価が高い | 写真投稿が古い / 管理が後手に回りやすい | お礼返信の徹底 / 特典付き口コミ誘導も◎ |
X(旧Twitter) | 拡散力が強い / 即時性に優れる | 視覚表現が弱め / 炎上リスクあり | メニュー変更や混雑状況の速報に活用 |
対策③|ブランディング設計と“世界観の統一”
SNSは「料理写真を載せる場」ではありません。**“世界観を表現するメディア”**として設計することが重要です。
視覚ブランディングのポイント
- フィードの色味や構図を揃える
- 撮影背景や小物を統一する(例:木目のテーブル×白い器)
- ロゴ入りのアイテム・ユニフォームを入れることでブランド認知を強化
文脈ブランディングのポイント
- 「ストーリー性」を持たせた投稿
例:「このメニューは、店主の地元・高知の食材を使った夏限定の一皿です」 - お客様のエピソードやスタッフ紹介を交える
- 投稿文章は「です・ます調」で統一 or 「カジュアル語」で一貫性を
実践例:顧客体験を“写真と文”で伝える投稿構成
①写真:料理全体が映るカット+アップ(2枚構成)
②本文構成:
・導入:この料理が生まれた背景
・中盤:食材や調理のこだわり
・締め:この料理が生む体験・気持ちの共有
投稿例:
【季節限定|冷やし柚子ラーメン】
夏の暑さを和らげる一杯、今年も登場しました。
高知県産の柚子を皮ごと丁寧に煮出し、爽やかな香りと塩味のスープに仕上げています。
暑い日にこそ食べたくなる一杯、ぜひどうぞ!
よくある質問(Q&A)
感情的にならず、丁寧な謝罪と改善の意思を伝えましょう。感謝の姿勢を忘れず、事実確認と対応策を簡潔に。
店舗の雰囲気や世界観を理解しているスタッフが望ましいです。外注の場合は明確なブランドトーンの指示が必要です。
明るさ・彩度に注意し、「温かみ」や「清潔感」を演出すること。過度な加工は避け、実際の提供イメージに近づけましょう。
Googleポリシーに違反している場合のみ報告で削除申請可能です。正当な内容であれば基本的に削除できません。
ターゲット明確な場合は有効です。特に新店舗・季節メニュー・イベントなど一時的な告知に向いています。
Instagramなら5〜10個が適切です。店舗名、地域名、料理ジャンルなどターゲットが検索しそうなワードを選びましょう。
複数店舗がある場合、店舗の世界観や運用リソースによって判断。統一感を出すなら本部アカウント、個性を出すなら店舗別が◎。
短期的な注目は集められますが、店舗ブランドとずれていると逆効果です。定期的な価値提供が優先です。
必ず本人の許可が必要です。タグ付けや投稿を見つけた場合も、DM等で確認してから使用しましょう。
週2〜3回程度が理想ですが、無理のない範囲で継続することが最も重要です。
まとめ:口コミもSNSも“体験の延長線”
口コミ対応もSNSも、あくまで「お客様の体験」の延長線上にあるものです。
それを “共感” と “信頼” に変えるための設計と運用 が、これからの飲食店に欠かせません。