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飲食店の原価管理入門|利益を守るためのレシピ原価と棚卸の基本

はじめに|なぜ原価管理が必要か?

飲食店経営において「原価管理」は、売上を伸ばすことと同じくらい重要な経営スキルです。
材料費の無駄を抑え、適正な利益を確保するためには、日々のレシピ単価や月次の在庫を正しく把握する必要があります。

この記事では、初心者でも実践できる原価管理の基本「レシピ原価表」「月次棚卸」について、わかりやすく解説します。


レシピ原価表とは?

■ レシピ原価表の目的

レシピ原価表は、1つの料理を作るのにかかる食材コストを数値化する表です。

これにより…

  • 料理1品あたりの原価率がわかる
  • 適正な販売価格の設定ができる
  • 食材ロスや過剰仕入れを防げる

■ レシピ原価表の基本項目(例)

食材名使用量単価(円)原価(円)
鶏もも肉150g¥150/100g¥225
2g¥10/10g¥2
醤油15ml¥200/1L¥3
合計原価¥230

🔸原価率計算:
230円(原価) ÷ 800円(販売価格) = 原価率28.7%


月次棚卸のやり方

■ なぜ棚卸が必要?

棚卸(たなおろし)は、毎月の食材在庫を数値で把握する作業
材料のロスや在庫過多の把握、仕入額の妥当性チェックにつながります。

■ 月次棚卸の基本ステップ

  1. 月末の営業終了後に実施
  2. 在庫食材ごとに「数量 × 単価」で在庫金額を算出
  3. 前月の在庫と比較して増減を分析

■ 棚卸表のテンプレ(例)

食材名在庫数量単価棚卸金額
玉ねぎ10kg¥100/kg¥1,000
小麦粉5kg¥150/kg¥750
醤油3L¥200/L¥600
合計¥2,350

📊 原価率を下げるための3つの工夫

  1. メニューの定期見直し:原価率が高すぎるメニューは調整
  2. 仕入れ先の比較・交渉:ロスを出さずに安定供給してくれる業者選定
  3. 調理ロス・廃棄の記録管理:どこで無駄が出ているか明確にする

業態別|F(フード)&B(ドリンク)原価率の目安

飲食業態によってフードとドリンクの原価率は大きく異なります。以下の表を参考に、自店舗に合った目安を把握しましょう。

業態 フード原価率(F) ドリンク原価率(B) 備考
居酒屋 30〜35% 20%前後 ドリンク利益でフードの原価をカバー
カフェ/喫茶店 25〜30% 25〜30% 軽食中心。原価の安定がしやすい
ラーメン店 30〜40% 10〜15% スープや麺の原価に注意
焼肉店 40〜50% 20%前後 肉の質・量で大きく変動
高級レストラン 40〜60% 15〜20% 高価格帯は原価率が高くてもOK

原価率を考える上でのポイント

  • 回転率や客単価とのバランスを重視
  • 人気メニューの原価率はやや高くてもOK
  • 食材ロスや仕入れの安定性にも注意

原価率の目標設定とは?

原価率=(原材料費 ÷ 売上)× 100
まずは自店の業態と価格帯に合った「理想の原価率」を把握しましょう。

たとえば、1,000円の料理に300円の原材料費がかかっていれば、原価率は30%です。

業態別の目標原価率(参考)

目標設定時のポイント

  • 業態と客単価に応じた基準を持つ
  • 月別・メニュー別に設定する
  • ドリンクとフードを分けて管理する
  • 看板メニューは原価率が高くてもOK


原価管理には「PDCA(Plan・Do・Check・Act)」サイクルの活用が鍵

飲食店の利益を守るためには、仕入・在庫・メニュー原価の管理を一度きりで終わらせず、定期的にPDCAを回すことが重要です。下記のチェックリストで、実践すべきポイントを整理しましょう。

Plan(計画)
Do(実行)
Check(検証)
Act(改善)

ワンポイントアドバイス

  • 原価率と販売数の両面で見る(利益貢献度=重要!)
  • 人気メニューで損してないか定期確認
  • 「利益の出る看板メニュー」作りが鍵


最低限の原価管理で利益は変わる

忙しい営業の中で原価管理まで手が回らないという声は多くあります。
しかし、「レシピ原価表」と「月次棚卸」だけでも徹底すれば、数字に基づいた経営判断が可能になります。


まとめ

飲食店の原価管理は、「感覚」ではなく「数字」で判断する時代です。
まずは手書きやExcelで始めてみましょう。1ヶ月後、数字が経営を変え始めます。


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