はじめに
飲食店の成功には、美味しい料理や集客だけでなく、「現場のオペレーション」の質が直結します。
どんなに繁盛しても、オペレーションが整っていないとミスが増え、スタッフやお客様の不満につながります。
本記事では、開業時に整えるべき基本オペレーションの考え方と、現場で役立つ業務効率化の方法をご紹介します。
目次
オペレーションとは何か?
飲食店における「オペレーション」とは、営業中のすべての動き・流れを指します。
ホール・キッチン・清掃・レジ・在庫管理…すべてが連動してこそ、良いサービスが提供できます。
基本オペレーションを作るステップ
① 導線設計を見直す
- 無駄な移動がないか
- 注文→提供→片付けの流れがスムーズか
- スタッフ同士がぶつからないか
② 業務フローを可視化する
開店準備 → 仕込み → 接客・調理 → 片付け・締め作業 → レジ締め
→ 全体の流れをマニュアルや図解にして、新人でも理解できる形に
③ 担当と役割を明確に
業務 | 担当者 | 補足 |
---|---|---|
開店準備 | ホールスタッフA | 30分前出勤、テーブルセット |
注文・接客 | ホール全員 | 順番に対応、混雑時は2人制 |
ドリンク・会計 | ホールB | ミス防止で1人専任 |
調理 | キッチンスタッフ | メニューごとに分担 |
発注・在庫管理 | 店主 | 週1回、冷蔵庫チェック |
よくあるオペレーションミスと改善例
課題 | 原因 | 改善策 |
---|---|---|
注文ミス | 手書き伝票の聞き間違い | タブレット注文/復唱の徹底 |
提供の遅れ | キッチンと連携ミス | キッチンモニターや呼び出しベルの導入 |
会計の誤差 | 現金ミス/打ち間違い | レジシステムの導入・定期精算訓練 |
食材のロス | 発注ミス・仕込み過多 | 原価管理シート/仕込み量の記録 |
ITツールでオペレーションはさらに効率化できる
飲食店で活用できる主なツール
ツール | 用途 | 例 |
---|---|---|
POSレジ | 会計・売上分析 | Square、スマレジなど |
オーダーシステム | 注文精度向上 | タブレット注文・LINE注文 |
勤怠管理 | 出退勤管理 | シフトボード、KING OF TIME |
発注・在庫管理 | ロス削減 | 在庫速報.com、TANOMUなど |
小規模店舗でも、無料~低コストで導入できるツールが増えています!
現場オペレーションを整えるためのコツ
- 週1で簡易ミーティング:現場の声をすぐ反映
- 1日1改善ルール:スタッフ1人1つ、改善提案
- お客様の動線視点でチェック:座って見渡すだけで課題が見える
まとめ|オペレーションは「整える→育てる→進化させる」
飲食店のオペレーションは、最初の設計が9割です。
そして、日々の営業を通して少しずつ磨き上げていくもの。
「忙しいのに、なぜスムーズにまわってるの?」
そんな風に言われるお店は、影で仕組みを磨き続けているのです。
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