飲食店経営のカギ!FL比率とは?利益構造をわかりやすく解説
飲食店の経営において、「なぜ利益が出ないのか?」という悩みはつきもの。
その答えのひとつが「FL比率」に隠れています。
「FL比率ってなに?」「どう改善すればいいの?」という方に向けて、飲食店の利益構造をやさしく解説します。
飲食店の儲けはどこで決まる?
「売上=利益」ではありません。
飲食店経営では FL比率を理解することが利益を守る第一歩です。
FL比率とは?
FL比率とは、F=Food(食材原価)と、L=Labor(人件費)の合計が売上に占める割合のことです。
一般的に、FL比率は 60%以下が健全とされます。
業態 | 食材原価率(F) | 人件費率(L) | FL比率合計 |
---|---|---|---|
ファストフード | 30% | 25% | 55% |
居酒屋 | 35% | 30% | 65% |
高級レストラン | 40% | 35% | 75% |
FL比率(%)=(食材原価+人件費)÷売上×100FL比率(%)=(食材原価 + 人件費)÷ 売上 × 100FL比率(%)=(食材原価+人件費)÷売上×100
💡なぜFL比率が重要なの?
飲食店では、売上の大部分を食材と人件費が占めています。
つまり「FL比率をコントロールできれば、利益が安定しやすい」ということ。
一般的にFL比率の目安は55~65%。
このバランスが崩れると、どんなに売上があっても利益が出にくくなります。
FL比率の目安と構成
項目 | 理想的な目安 |
---|---|
食材原価(F) | 28~35%程度 |
人件費(L) | 25~30%程度 |
FL合計 | 55~65%が理想 |
🔍 例えばこんなケースの場合は?
- FL比率が70%以上の場合:利益がほとんど残らない、赤字の可能性も。
- FL比率が50%以下の場合:人件費や原価が抑えられているが、品質・サービス低下のリスクも。
FL比率を改善するためのチェックポイント
食材原価の改善方法
- メニューごとの原価率を算出
- 廃棄ロスを可視化して削減
- 仕入先の見直しと価格交渉
- 看板メニューの粗利率を強化
- 食材の使い回しでロス削減
人件費の改善方法
- シフトの適正化(時間帯別の人員配置)
- 多能工化で少人数でも業務回せる体制
- 売上予測に基づく労働時間管理
- 教育研修で作業効率をアップ
- 業務の標準化・タイムマネジメント
⚙️ FL比率を下げるには?
食材原価の見直し
- 適正在庫の管理(ロス削減)
- 原価率の低い食材で工夫
- 仕入れの見直し・共同購入
人件費の見直し
- シフトの最適化
- 業務マニュアル化による生産性向上
- ホール・キッチンの動線見直し
FL比率以外にも大切な指標
FL比率は重要ですが、家賃・水道光熱費・販促費などの他コストも見逃せません。
- 営業利益率(Operating Profit):最終的にお店に残る利益の割合
- 限界利益率(貢献利益率):売上から変動費を引いた利益率(固定費とのバランス確認に◎)
ワンポイントアドバイス:
利益の出る看板メニューを設計しよう!
原価率だけでなく、販売数とのバランス(利益貢献度)も重要です。
早速FL比率をチェックしてみましょう!
見直し、改善が必要な場合は進捗確認をして、毎月✔
FL比率 改善進捗ダッシュボード
食材費(F)
目標原価率:28%
現在の原価率:30%
レシピ原価の見直し完了
ロス対策未着手
人件費(L)
目標人件費率:25%
現在の人件費率:24%
シフト調整済み
業務効率化プラン未策定
次のステップ:食材ロスの記録・見直しを今月中に完了
進捗管理例
FL比率改善の履歴タイムライン
- ✔ レシピ原価表を全メニュー分整備
- ✔ 原価率計算のシート運用開始
- ✔ シフト管理ツール導入で人件費率を1.5pt削減
- ✔ 廃棄ロス記録を毎日実施、週次ミーティングで共有
- ✔ 人気メニューの見直しで利益率を改善
- ✔ 月次棚卸の担当者と手順を固定化
まとめ|数字を知ることが利益の第一歩
「なんとなく売上はあるのに利益が出ない」──
そんな悩みの多くは、数字を知らずに感覚で経営していることが原因です。
FL比率は、飲食店の利益構造の入口。
まずは自店のFL比率を算出し、どこに課題があるのかを見える化しましょう!