目次
はじめに
どれだけ新規のお客様が来ても、リピーターが育たない飲食店は経営が安定しません。
逆に、「また来たい」と思ってもらえる空間と接客があれば、広告に頼らず自然と集客が生まれるのです。
本記事では、飲食店経営者・現場リーダーの方に向けて、リピーターを育てるための“接客”と“空間作り”の基本と実践例をご紹介します。
なぜリピーターが重要なのか?
- 新規顧客の獲得コストはリピーターの5倍とも言われる
- 常連客は客単価・来店頻度が高い
- SNSで自然な拡散・口コミが生まれる
リピーターを生む“接客”の基本
① 覚える努力=特別感の提供
行動 | お客様の印象 |
---|---|
名前を覚えて呼ぶ | 「大切にされてる」 |
前回の注文を覚えて話題にする | 「自分の好みを覚えてくれている」 |
② お客様のタイミングに合わせる
- 一人客:静かに過ごしたい → 話しかけすぎない
- 常連客:世間話を喜ぶ → 声かけの距離感を大切に
③ トラブル対応がチャンスに変わる
- 料理のミス → 誠実・スピード感ある謝罪
- 混雑時の待ち時間 → 一言フォロー、ドリンクサービス
空間が生む“また来たい”の記憶
① 「居心地がいい」はこう作る
ポイント | 例 |
---|---|
照明 | 明るすぎず、目線に直射しない配置 |
音 | BGMの音量、厨房音が客席に響かない工夫 |
香り | 店全体に食欲をそそる香りを保つ |
清潔感 | トイレの清潔さは満足度に直結! |
② 座席配置の工夫
- カウンター:一人客の落ち着ける空間に
- テーブル:グループ利用も視野に
- ベビーカー対応:子連れにも優しい導線設計
リピートされるお店の共通点
良い点 | 内容 |
---|---|
一貫した世界観 | メニュー・BGM・内装・接客が統一されている |
小さな気遣い | おしぼり、ひと言メモ、予約時の確認 |
接客の温度感 | 過干渉せず、でも放置しないちょうどよさ |
具体的なリピーター育成施策
施策 | 内容 | コスト感 |
---|---|---|
スタンプカード | 10回で1回無料など | ◎低コスト |
LINE公式アカウント | 新メニュー・限定情報配信 | △中程度(手間) |
誕生日クーポン | 「特別な体験」を演出 | ◎好印象 |
アンケートハガキ | 意見→改善→信頼獲得 | ◎改善の宝庫 |
まとめ|リピート率が上がる店は“心の余白”がある
「おいしかった」だけでは人はリピートしません。
「またあの雰囲気に浸りたい」「また話したい」と思わせることが、リピーターづくりの本質です。
忙しい営業の中にも、ちょっとした“余白”を持てる店が、お客様の心に残るお店になります。
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