開業後の飲食店がぶつかりやすい課題のひとつが「メニュー開発」と「原価管理」です。
味・見た目・利益を両立させるために、どのようにメニューを構成し、継続的に見直すかを具体的に解説します。
目次
なぜ「メニュー開発」が経営のカギなのか?
- 売上の柱=看板メニューの存在
- 食材ロスの原因にもなりやすい
- 人件費・仕込み時間にも直結
「美味しい」だけでなく、利益率・提供効率・季節性のバランスを取ることが重要です。
メニュー開発の5つの視点
視点 | 解説 |
---|---|
1. 顧客ニーズ | 想定ターゲットが「今食べたい」と思う味・価格帯か |
2. 食材回転率 | 同じ食材を複数メニューで活用し、ロスを減らす |
3. 調理工程の効率 | 少ない手数で提供できるか。仕込み負担とのバランス |
4. 季節感・トレンド | 旬や流行を取り入れて話題性と集客力を上げる |
5. 利益率 | 高すぎる原価を避け、原価率30%〜35%が目安 |
メニュー構成の黄金比
主力(看板メニュー)30%
- 利益より「集客力」「SNS映え」重視
- 店の強み・コンセプトを体現するメニュー
高利益メニュー50%
- 回転率がよく、粗利が高い商品
- ランチの副菜、ドリンク、デザートなど
季節・限定メニュー20%
- リピートや再来店を促す仕掛け
- 食材ロス対策・在庫調整にも活用
原価管理の基本|“数字”に強くなる
項目 | 解説 |
---|---|
食材原価 | 仕入れ価格÷販売価格。理想は28〜35%以内 |
飲料原価 | 10〜20%台が目安。利益確保に重要 |
ロス率 | 廃棄食材の割合。日々の記録と振り返りが必須 |
売上構成比 | メニューごとの売上割合。主力がちゃんと売れているか確認 |
原価率計算の例
パスタ1皿の材料費が300円、販売価格が950円の場合
→ 原価率 = 300 ÷ 950 × 100 = 約31.6%
→ 合格ライン!
💡おすすめ原価管理ツール
- Excel管理シート(自作OK)
- クラウドPOSレジ連携システム(スマレジ・ユビレジなど)
- 原価Pro・FOODINGなどの専用アプリ
メニュー改善は「月1回」が理想
メニューの回転率や利益率を月単位でチェック。
「売れない」「ロスが出る」メニューは、見直しや削除を検討しましょう。
よくある失敗パターンと対策
失敗例 | 対策案 |
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高原価メニューが多すぎる | 人気があっても全体のバランスを調整 |
食材ロスが頻発 | 汎用性のある食材を中心に考える |
提供に時間がかかる | 調理工程の効率化を意識したメニューに絞る |
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まとめ|メニューと原価が飲食店の「収益の心臓」
美味しい料理だけでは成功しないのが飲食店。
メニュー設計と原価管理は、「お客様の満足」と「利益」の両立のために不可欠な技術です。
数字に強くなることが、経営の自信にもつながります。