対応が求められる理由と背景
昨今、国内外問わず「食の多様性(ダイバーシティ)」への配慮が求められています。
特に観光・インバウンド需要の回復、健康志向やエシカル消費の高まりを受け、動物性原料を控えたメニューや商品の導入は大きな注目を集めています。
目次
ベジ・プラント対応で押さえておきたい4つのポイント
ポイント | 解説 |
---|---|
1. 原材料の確認 | 動物性原料の有無を細かくチェック(出汁、調味料、添加物など) |
2. 調理器具の使い分け | 動物性食材と分けて調理・提供できる環境づくり |
3. 表示・説明の明確化 | ベジ対応レベルの表記(例:オボ・ラクト・ビーガンなど) |
4. スタッフの理解促進 | 提供レベルに応じた教育・対応フローの整備 |
◾ 飲食店の取り組み事例
イタリアンレストランの場合
- 対応種別:ラクト・オボ・ベジタリアン対応
- 取り組み内容:
- チーズは植物性レンネット使用、卵・乳の使用も明記。
- 出汁は昆布や野菜ブロードのみ。
- 動物性と分けた調理スペースの確保。
- メニュー表にピクトグラムを導入。
カフェの場合(プラントベース対応)
- 全メニューが植物性素材中心
- ソイミート、オーツミルク、豆腐などをメインに使用
- 定期的にSNSで原材料と製造背景を発信して信頼性を強化
◾ 食品メーカー・製造現場の対応
▶ プラントベース食品の開発動向(2025年)
- 代替肉(大豆ミート・培養肉)市場の拡大
- プラントベースチーズやミルク製品も品揃え拡充
- 大手メーカー(伊藤ハム、マルコメ、オイシックスなど)も専用ブランド展開
表示に関する注意点
- 日本では「ベジタリアン」や「ヴィーガン」表示に法律的な定義がないため、消費者へのわかりやすい説明・根拠提示が求められる。
- 第三者認証(例:NPO法人VegeProjectなど)の取得で信頼性アップも。
◾ よくある誤解と対策
誤解 | 実際は? |
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ベジタリアンは動物性を完全に避ける? | 卵・乳を摂る人もいる(オボ・ラクトなど分類あり) |
プラントベースは完全菜食? | 基本は植物性中心だが、厳密な制限は人による |
野菜だけ出せばOK? | 出汁や調味料、製造ラインの混入も重要な判断材料 |
対応レベル早見表(参考)
タイプ | 食べられるもの | NGのもの(例) |
---|---|---|
ベジタリアン(ラクト) | 野菜・乳製品 | 肉・魚介・卵 |
ベジタリアン(オボ) | 野菜・卵 | 肉・魚介・乳製品 |
プラントベース | 植物性のみ | 肉・魚・乳・卵(個人による) |
フレキシタリアン | 柔軟に選択 | 状況によって食べる場合も |
関連リンク
まとめ|“選べる”時代の食の提案力がカギ
ベジタリアン・フレキシタリアン・プラントベース。
どれも「自分や環境に配慮した食選択」という共通点があり、飲食店やメーカーには“対応レベル”の明示と、選択肢の提示”が今後ますます求められる時代です。
小さな一品でも、「選べるメニュー」が信頼につながる――
そんな工夫を、貴店・貴社の取り組みにぜひ活かしてみてください。